初生雛鑑別師とは
卵から、かえったばかりの、ヒヨコの、オス、メスを見分ける技術を有する特殊技術者のことです。 ヒヨコは、ある程度育てば、外形や鳴き声などから、だれでも、オス、メスの区別が、分かるようになります。しかし、雌雄が、自然に、分かるまで、待っていては、その間の、えさ代、あるいは、施設が、大変ムダです。
そのため、一日でも早く、オス、メスを、鑑別して、目的に応じた飼育ができることが、一番よいわけです。 といっても、うまれたばかりのヒヨコのオス、メスの、区別は、誰にでも出来るものではありません。そこで、かえったばかりのヒヨコの雌雄を鑑別する職業として、プロの”初生雛鑑別師”がうまれたのです。
初生雛鑑別技術は、養鶏産業にとって、不可欠なものですが、この鑑別法の発見は、大正13年(1924)に、さかのぼります。当時、農林省畜産試験場にて、鶏の繁殖について研究をしていた増井清、橋本重郎両博士ならびに大野勇の3氏が、初生雛においても、生殖突起によって雌雄の差異があることを発見し、この学理的発見を日本畜産学会に発表したのが始まりです。
この鑑別法は、指を使って、ひよこの肛門を開き、おす・めすの生殖突起を確かめる鑑別法から、“肛門鑑別法”ないしは“指頭鑑別法”と呼ばれています。
このほかに、伴性遺伝を応用した羽色によるカラー鑑別法、及び、ひなの羽毛の伸びの速い、遅いの性質を利用して、おす・めすを鑑別する羽毛鑑別法が普及しています。
また、チックテスター(商標)という光学器械を用いて、鑑別する“機械鑑別法”が、一時期大いに普及しましたが、現在では、一部でしか利用されていません。