当協会は、鑑別技術向上の目的で、毎年1回、全日本初生雛雌雄鑑別選手権大会(平成9年度より鑑別技術研修会と名称を改める)を開催していますが、これと同じ趣旨の競技会は、鑑別法実用化とともに、昭和の初めから行われています。
昭和5年以降の記録から1位の成績のみを、拾ってみると別表のとおりです。
昭和6年頃の鑑別技術は、当時の一流鑑別師でも、競技会では、50羽の雛を鑑別して確率95%以上の成績を収める者は、まれで、技術の完成には、ほど遠いものでした。
しかし、増井博士等の更なる研究が進み、鑑別技術が完成されるとともに、鑑別師の技術も、一段の進歩を見せ、昭和7年には、数多くの100%公認記録が、出るようになりました。
第二次大戦後、養鶏産業の復興とともに、鑑別師の需要が高まり、優秀な鑑別師が数多く輩出した結果、必然的に競技会の記録も年々塗り替えられていきました。全日本鑑別競技会では、かっては、不可能といわれていた3分台の成績が恒常化し、昭和42年の大会では、ついに、谷口俊世鑑別師が、100%、3分06秒の世界記録を出し、鑑別界をあっといわせました。
しかし、この記録も、13年後の昭和55年の大会において、服部豊士鑑別師が樹立した100%、3分00秒という大記録によって破られました。
競技会開催年 |
羽数 |
タイム |
確率(%) |
昭和5年(1930) |
50 |
6分00秒 |
96 |
7年(1932) |
100 |
12.50 |
99 |
8年(1933) |
100 |
8.45 |
100 |
9年(1934) |
100 |
6.40 |
100 |
24年(1949) |
100 |
4.47 |
100 |
31年(1956) |
100 |
3.50 |
100 |
40年(1965) |
100 |
3.24 |
100 |
42年(1967) |
100 |
3.06 |
100 |
55年(1980) |
100 |
3.00 |
100 |
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高等鑑別師考査規定について |
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益々大型企業化する孵卵・養鶏業界の現状に対応し、鑑別技術の向上、高度化をはかるため、高等鑑別師考査の合格基準を必要に応じ改正していますが、現行の規定は、次のとおりです。
供試雛の種類 卵用種および肉用種
供試雛の羽数 500羽(卵用種400羽、肉用種100羽)
合格基準 (イ) 鑑別率平均99%以上
但し、卵用種は各100羽98%以上
肉用種は100羽97%以上
(ロ) 鑑別所要時間500羽45分以内
但し、各100羽10分以内
(ハ) 得点 卵用種:95.5000点以上
肉用種:94.5000点以上