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開発途上国では環境に配慮しつつ地域農業や畜産を持続的に開発することが求められている国が多く、それらの国々の経済政策や食料・農業・畜産政策および地域経済社会における畜産の実態を把握し、畜産を含む混合農業や複合経営の発展を阻害する要因や問題点を明らかにする必要がある。そこで今回はセネガル国への畜産開発協力に資する事を目的として同国の牧畜業を多角的に調査した。セネガルのGDPの内、約17%が第1次産業、7%が牧畜(その内67%は牛)で占められている。牛は自然草地に頼る伝統的な粗放移動放牧システム、半牧半農システム(わらの飼料利用、堆肥、糞の燃料利用、労役利用)、政府指導型システム(畜産資源開発公社等)、半集約的システムにより飼養されている。食肉の輸入は減少しているが、乳・乳製品の輸入は増加している。牛疫、牛肺疫,気腫疽、口蹄疫等の疾病による被害も大きい。ワクチン接種等による疾病防除に努めているが、国境を越えて持ち込まれる感染症や、輸入畜産物の安全性の問題も多く、国境検疫が大きな課題となっている。
第10次6カ年計画(2002-2007)における牧畜サブセクターでの3つの重点分野は@生産システム、飼養システムの集約化による畜産物の価値の見直しと有効活用 A家畜衛生面での改善、獣医医療民営化を通しての獣医サービスへのアクセス改善 B関係者組織の体制改善と能力強化である。また、牧畜発展政策文書、牧畜発展10カ年プラン(2002-2011)も策定されている。10カ年プランでは以下の具体的な活動目的が示されている。@牧畜サブセクターの競争力及び生産性の向上 A貧困対策 B自然資源の保全と成長の持続性 C家畜衛生及び品種改良 D動物由来飼料の品質管理及び獣医公衆衛生
調査の結果、セネガルの牧畜サブセクター活動を取り巻く制約要因として次の点が指摘された。@粗放的放牧様式では牧草地の生産性が低く、砂漠化防止対策も重要である。A落花生殻等農業関連副産物は大量に存在するがその活用が低い。B家畜衛生面でのケアが弱い。C土地、水利関係の制度、インフラストラクチャーの遅れ D家畜改良の遅れ E畜産物の流通システムの遅れ F公的及び民間投資の遅れ G技術指導、畜産農家の組織化の遅れ
EU、FAO、世界銀行等の国際機関やフランス等によるプロジェクトは多数行われているが、日本からの牧畜セクターへの協力は個別調査や青年海外協力隊(獣医師、家畜飼育)のみであり、今後の取り組みが待たれている。 |
1.国の概要
2.農業・牧畜の現状
3.国の農業政策・牧畜政策
4.農村レベルでの牧畜分野活動の現状と問題点(フェルロ地方の具体例から)
5.セネガル共和国における牧畜発展のための課題
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