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概要

動物遺伝研究所で行っている研究
動物遺伝研究所では、肉用牛を対象として、DNAの情報に基づいて、遺伝的な改良を効率よく進めるための研究、牛肉の品種鑑別法の研究などを進めています。

アクセス
動物遺伝研究所−年報

1 和牛の経済形質の改良

肉用牛にとって重要な形質である発育速度や肉質(脂肪交雑)に関係する遺伝子を探索する努力を続けています。これらの形質に関わる遺伝子は一つや二つではなく多くあると考えられますが、この中から効果の大きいと考えられる遺伝子から順に同定しようとしています。これまでに、和牛(黒毛和種)について、発育速度や脂肪交雑に影響を与えている遺伝子が所在すると見られる染色体上の領域をいくつか明らかにし、その領域を細かく解析しています。

遺伝子の同定にまでは至らないものの、これらの遺伝子にきわめて近いところにある標識DNA(DNAマーカーという)を手がかりに、遺伝的に優れた牛を選ぶことは実用化されています。


2 遺伝性疾患原因遺伝子のキャリアの診断技術

多くの遺伝性疾患(遺伝病)は単純劣性遺伝で、遺伝性疾患の原因となる異常遺伝子をホモに持つ牛のみが病気を発症します。異常遺伝子をヘテロで持つ牛(キャリアという)は病気の症状を示しません。しかし、キャリア同士を交配すると、その子がホモになる確率は25%になります。人工授精に用いられる種雄牛のように多くの子を残す親がキャリアであると、異常遺伝子がホモになって病気を発症する子の数も増える可能性があります。そのため、種雄牛には異常遺伝子のキャリアを使わない方が得策です。

動物遺伝研究所ではこれまでに肉用牛に見られた4種類の遺伝性疾患の遺伝子を同定し、これに基づいてキャリアの遺伝子診断法を確立しました。うち3種類の遺伝性疾患については診断法の特許が認められており、残り1種類の疾患の診断法については特許申請中です。ほかにも、肉用牛には遺伝性疾患が見られますので、他の研究機関と共同で原因遺伝子の同定研究を進めています。


3 牛肉の品種鑑定技術の開発

牛には多くの品種があり、牛肉も多くの品種の牛から生産されています。中でも和牛(黒毛和種)の肉は最高級とされています。牛肉の品種表示の信頼性が確保されるためには、その表示が正しいかどうか判定する技術が必要です。現在では、黒毛和種とホルスタイン種の牛肉はほぼ正確に判別する技術が出来ていますが、さらに多くの品種由来の牛肉が正確に判別できる技術を研究しています。


4 親子鑑別技術の開発

人の世界では、この子の父親は誰だ、と言うことが問題になることが時としてあるようですが、牛の世界でも親子関係は正確に記録しておかなければなりません。親子の記録が正確かどうかは、これまで血液型を用いて確認していましたが、DNAを用いると血液型によるよりも正確、かつ簡単に確認が出来ます。動物遺伝研究所では、どのような標識DNA(DNAマーカー)を用いればよいか研究しました。約10個のDNAマーカーを選んで用いることにより、99.9%の確率で親子関係を鑑定できることを明らかにしました。このようなDNAマーカーを用いると個体識別も正確に行えることが明らかになっています。この個体識別の方法は牛肉のトレーサビリティーを裏付ける基本技術ともなっています。

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