我が国において、飼料自給率の向上は畜産業の重要課題であるとともに、食料自給率向上の一環としても大きな課題である。
食品残渣の家畜への飼料利用は、飼料自給率の向上とともに資源リサイクルの面から注目され、全国各地にその萌芽が見られる。しかし、未だ点として存在しているこの動きを面的に拡大することが政策課題ともなっている。
このため、食品分野における廃棄物等未利用資源の畜産分野への有効利用方策を推進するため、食品残渣を家畜の飼料としている現状を把握する必要がある。
本書は、平成15年度から平成17年度の3年間にわたって、日本中央競馬会特別振興基金により財団法人全国競馬・畜産振興会の助成を受けて「未利用資源等循環利活用推進事業(畜産経営における食品残渣等利活用調査検討事業)」として、畜産技術協会が全国農林統計協会連合会に委託して実施した調査結果をもとに取りまとめたものである。
調査は、食品残渣の利用者である養豚を中心とした生産者、供給側である事業所等、さらには両者の中間で処理加工を行なう業者等まで含めて幅広く行ない、その技術内容に加えて、それぞれの立場からの考え方や課題についても整理したものである。
食品残差を飼料として利活用するための様々な先駆的事例が紹介されており、多様な供給形態、流通形態、利用形態のあることを理解できるとともに、事例の中から食品残渣利活用の理念とヒントを見出すために活用できる。 |
T 日本の養豚と食品残渣飼料
U 養豚農場は食品残渣飼料に何を期待するか
V 食品残渣排出の状況と飼料化の問題
W 食品残渣飼料の養豚・肉用牛農場における使用例と留意事項
X 収集と製品化の実例から食品残渣飼料化の課題を探る
Y 食品残渣の飼料化手法と留意点
Z 食品残渣を給与して生産された差別化豚肉製品の事例
[ 関連法規
あとがき |
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