畜産技術協会は平成17年度から3ヶ年にわたり、日本中央競馬会特別振興資金により財団法人全国競馬・畜産振興会からの助成を受けて「特用家畜等向上対策事業」を実施した。
牛・豚・鶏以外のいわゆる特用家畜と称される家畜・家禽の多くは、地域の伝統文化を受け継ぐ、あるいは新たな可能性を求めて導入されるなど、地域の期待を背負っているものの、生産規模が零細であったり、飼育管理技術が未熟なことが多く、十分な支援が行き届かない状況にある。一方、教育・医療現場で重要な役割を担い、愛玩動物としての飼育など、用途や飼養目的は畜産分野に限らず極めて広範、多様な範囲にわたる。
そのような中、地方の特色を活かした特用家畜の多様な取り組みは、新たな地場産業の芽ともなり、特用家畜の飼養管理技術や経営基盤を支援し、自立を促すことは重要であると考えられることから、本事業では、1)特用家畜生産技術ハンドブック作成事業、2)ダチョウ低コスト生産技術確立事業、3)みつ源安定確保対策支援事業、4)地鶏肉評価技術等確立事業、5)養鹿経営安定モデル確立事業を個別事業として実施した。
本報告書は事業全体の概要と実施経緯を簡潔に取りまとめたものであり、個別事業の詳細については各事業のハンドブック、技術マニュアルを作成した。 |