アルファルファタコゾウムシは、わが国では1982年に沖縄県、福岡県で初めて確認され、マメ科牧草に食害をもたらす害虫である。その後、西日本から北海道まで被害が広がり、防除効果のある薬剤の開発等による対策が試みられてきたが、コスト高やレンゲ圃場が養蜂家のものでないこと等の理由もあり、防除は進まなかった。
そのような状況において、即効性はないが、定着することで永続性がある天敵蜂(ヨーロッパトビチビアメバチ)利用によるアルファルファタコゾウムシ防除対策について、調査研究計画を進めるとともに、薬剤の使用に頼らず、害虫被害を最小限にとどめ、みつ源であるレンゲを安定して生育させる耕種的防除技術の確立を目指した。
本報告書は特用家畜生産利用技術確立調査研究事業により実施した、ヨーロッパトビチビアメバチの増殖技術、放飼試験・定着試験、また耕種的防除技術の確立試験の成果を取りまとめたものである。 |