JLTA Regional Workshop on Animal Feed Production
and Utilization in Southeast Asia,
In collaboration with NILGS. Nishi-Nasu, Tochigi-Prefecture, Japan
東南アジアにおける家畜飼料の生産と利用(畜産草地研究所との共催)
平成15年10月 (社)畜産技術協会 英文A4判 292頁
概 要
畜産技術協会は日本国内での畜産技術の進歩による畜産産業の発展を図るとともに、開発途上国における畜産の発展に対する国際協力の促進を図る活動で重要な役割を果たしている。このワークショップは国際協力促進プログラムの一つとして開催された。ワークショップにはインドネシア、マレイシア、ミャンマー、フィリッピン、タイ、ヴェトナム、日本とInternational
Livestock Research Institute (ILRI)からの約30名の参加者が参集した。
ワークショップでは以下の点が討論された。a)東南アジアにおける急速な畜産の発展 b)小規模農家での反芻動物飼養の畜産物生産への寄与 c)小規模農家での技術 d)飼料需要と飼料生産の季節的、地域的ギャップ e)作物残渣の飼料利用 f)小規模農家の家畜栄養要求に対する知識の欠如
基調講演T 東南アジアにおける小規模家畜生産システムを改善するための飼料資源および飼料給与の戦略 Dr. Danilo Pezo
(ILRI):東南アジアでは畜産物需要が拡大しており、これに応える為に、家畜数と畜産物生産の急速な増大が要望されている。しかしながら小規模畜産農家は地域飼料資源を有効に活用していないので、今後は牧野、農産物残渣、農産業副産物、および新飼料資源の有効活用を図る必要がある。各種飼料資源を組み合わせて通年的に適正給与するためのシミュレーションモデルの開発も重要である。
基調講演U 東南アジアにおける家畜飼養 矢野秀雄(京都大学):北東タイ、東ジャワ島での具体的な家畜飼養および農産副産物の現状と問題点が論じられた。
ワークショップでの取りまとめ勧告事項:a)有望な飼養技術に対する情報を共有できる地域ネットワークの構築と組織機関の活動能力を高めるための人材の交流が重要である。b)地域飼料資源の活用、低質粗飼料の高品質化と効率的な補助飼料の活用が重要である。c)多様な東南アジア諸国における国産および導入飼料の生産性および栄養価の評価が重要である。d)様々な飼養戦略の経済性の評価が重要である。e)粗飼料の貯蔵、草地、飼養標準の策定等を含む飼料利用技術の改善が重要である。