本書は、新疾病の出現や予防・診断・治療の進歩を踏まえ、平成8年度作成の旧版「家畜衛生マニュアル」の改定増補を行ったものである。共通編、畜種編及び参考編から構成され、とくに海外畜産技術協力に際して現場ニーズに的確に応えられるよう一覧表により簡潔に編集されている。
共通編では、主要家畜伝染病について畜種(牛、めん羊、馬、豚、家きん、兎、蜜蜂)別に、病名、病原体、感受性動物、潜伏期、経過、予後、臨床診断、病理学的診断、血清学的診断、病原学的診断、類症鑑別の要点のほか、病勢鑑定に当って材料の採取・処理・輸送の要領について記述されている。家畜中毒では、有毒植物中毒、マイコトキシン中毒、農薬中毒、その他の中毒に分けて、発症原因・要因、症状・診断法、対策、類症鑑別について記述している。
畜種編では、畜種別に衛生管理指導として乳牛は乳房炎、第四胃変位、ケト―シスなど15疾病、肉牛は子牛の下痢・肺炎、鼓張症、肝膿瘍など6疾病、めん羊は感冒、肺炎、第一胃食滞など24疾病、馬はロドコッコカス感染症、新生子溶血性黄疸、膀胱破裂など36疾病、豚は豚回中症、胃潰瘍、中毒など23疾病、採卵鶏は鳥インフルエンザ、熱射病、マレック病など23疾病、ブロイラーは大腸菌症など6疾病、蜜蜂はアメリカ腐蛆病など5疾病の予防衛生対策について解説している。
参考編では、各家畜の血液、尿および乳汁の生化学検査における成績の読み方として、正常範囲より高値または低値を示す場合の要因と疾病についての参考資料である。 |
I.共通編
1.主要家畜伝染病診断要点(牛疾病、めん羊疾病、馬疾病、豚疾病、家きん疾病、兎疾病)
2.病性鑑定材料採取処理・輸送方法一覧(材料採取、材料処理、材料輸送、病性鑑定、飼料の有害物質の指導基準、飼料安全法による飼料カビ毒の規制)
II.畜種編
1.乳用牛の衛生管理指導(主な疾病と対策、駆虫プログラム)
2.肉用牛の衛生管理指導(主な疾病と対策)
3.めん羊の衛生管理指導(主な疾病と対策、衛生プログラム)
4.馬の衛生管理指導(主な疾病と対策、駆虫プログラム)
5.豚の衛生管理指導(主な疾病と対策、豚の中毒、駆虫プログラム)
6.採卵鶏の衛生管理指導(主な疾病と対策、主な外部寄生虫、ワクチンプログラム)
7.ブロイラーの衛生管理指導(主な疾病と対策、ワクチンプログラム)
8.蜜蜂の衛生管理指導(主な疾病と対策、一般衛生対策)
III.参考編
1.家畜の生理基礎値(正常生理値)
2.血液検査(血液の一般検査・生化学検査成績の読み方)
3.尿検査(尿の一般検査・生化学検査成績の読み方、尿沈査成績の読み方)
4.乳汁検査(乳汁検査成績の読み方) |
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