現在及び将来の日本の畜産業を担う畜産技術者に、畜産をめぐる国際問題についての知識と関心を高めることは、これからの国際化時代に向かって不可欠の対応である。さらに畜産分野に関連する途上国からの技術協力の要請も、年々、増加の傾向にあり、これに従事する海外技術協力の畜産専門家の養成も極めて重要なものとなっている。
このような背景をもとに、平成8年度から全国の畜産及び獣医関係の大学に在籍する学生を対象に、海外の畜産事情と技術協力の一端を体験、学習させることにより、畜産をめぐる国際問題についての理解と関心の高揚をはかり、これからの国際化時代に必要とされる畜産国際人を養成することを目的として、日本中央競馬会の特別振興基金による助成事業により、「畜産・獣医学生海外研修事業」を実施している。
平成8年度の本事業は、極めて円滑にかつ成功裡に終了したが、平成9年度においてはその経験を加味して、さらに充実した内容のもとに本事業を実施することができた。
今回の研修旅行の実施にあたっては、タイ及びネパール国の畜産当局をはじめ関係の大学、また両国に滞在の国際協力事業団派遣専門家及び青年海外協力隊員等、多数の関係者のご協力を頂き、極めて有効かつ有意義な内容の研修となった。本報告書は、参加学生の感想文を中心に研修事業の概要をまとめているが、その成果を十分に伺い知ることができる。指導教官は日本大学酒井健夫教授であり、適切な指導、助言を頂き、元JICA専門家藤倉孝夫博士には現地同行とともに本報告書編集の労を煩わした。
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まえがき
1.畜産技術者等交流推進事業実施要領
2.畜産・獣医学生の海外研修旅行案内
3.参加学生の選考をめぐって
4.畜産・獣医学生海外研修事業参加者名簿
5.畜産・獣医学生のタイ・ネパール研修旅行日程
6.畜産・獣医学生のタイ・ネパール研修旅行のあらまし
7.タイ・ネパールへの研修旅行に参加して(感想文)
8.アンケートにみられた参加学生たちの意見
9.指導教官の等意見・提言
あとがき
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