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この資料は2000年12月にWTO事務局に提出した農業交渉日本提案を、農業交渉の第2フェーズ(2001年5月〜2002年2月)の論議の中で我が国の考え方をより深く理解してもらうために作成されたものである。日本提案に関連して10の項目について各国の情勢、統計資料等を用いて我が国の主張について詳細な説明がされている。なおこれらの詳細な説明について英文に翻訳されたものが付記されている。
第一の項目は「農産物貿易をめぐる状況と食糧安全保障」についてである.UR(ウルガイ・ラウンド)以降の世界の食糧需給の不安定な状況は解消されておらず、一部の先進国のみが利益を得ていることを指摘している。第2の項目は「農村地域における農業の重要性(農村開発)」についてであり、農村地域における人口の維持の必要性とこれに対する農業の役割の重要性を指摘している。第3の項目は「環境に対する農業の役割(環境)」についてであり、農業は国土保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成といった様々な機能を発揮しており緑の政策のみではこれらの機能に対応することが困難であることを指摘している。第4の項目は「食品の安全性や品質に関する関心の高まり」についてであり、遺伝子組み換え食品、牛のBSE、環境ホルモン等消費生活上の新たな課題が発生してきていることを踏まえて現行のWTOルールが十分に対応できているかを検証することの必要性を指摘している。第5の項目は「新型セーフガード」についてであり、季節性があり腐敗しやすい農産物に対する新たなセーフガードを提案している。第6の項目は「緑の政策」についての説明であり、農業の実態を踏まえた農政改革推進の観点から要件の改善と見直しを提案している。第7の項目は「輸出支援措置」についてであり、輸出補助金単価の約束導入など輸入規律とのバランス改善を提案している。第8の項目は「輸出禁止・制限」についてであり、輸出制限の関税化(輸出税化)など輸入規律とのバランス改善を提案している。第9の項目は「国家貿易」についてであり輸出国家貿易の規律強化を提案している。第10の項目は「新たな国際備蓄」についてであり一時的な不足等に対し現物の融資を行いうる国際備蓄の枠組みを提案している。 |
1.新ラウンドと農業交渉
2.WTO農業交渉日本提案の詳細説明ペーパー
1)農産物貿易をめぐる状況と食糧安全保障
2)農村地域における農業の重要性(農村開発)
3)環境に対する農業の役割
4)食品の安全性や品質に関する関心の高まり
5)新型セーフガード
6)緑の政策
7)輸出支援措置
8)輸出禁止・制限
9)国家貿易
10)新たな国際備蓄
3.第2フェーズにおいて論議された主な項目
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