公益社団法人
畜産技術協会


平成16年度畜産をめぐる国際問題研究推進事業
東南アジアにおける家畜用飼料生産と利用に関するJLTA地域ワークショップ
(独)畜産草地研究所との共同開催
平成17年3月(社)畜産技術協会


概 要
 本資料は、2003年10月、独立行政法人畜産草地研究所(那須塩原市)で開催したJLTA地域ワークショップの講演抄録で、参加国は東南アジア6カ国(インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フイリピン、タイ、ベトナム)及びILRI(国際家畜研究所、在フイリピン)、日本であった。
 基調講演は、ILRIにより「東南アジアにおける小農畜産システム改善のための飼料資源と飼養戦略」について行われた。そのなかで、当該地域では畜産物の需要が増加し、家畜頭数の増加、畜産物生産の拡大が望まれており、このために多くの小農畜産農家における地域資料資源(牧草、作物残さ、農業廃棄物、未利用資源など)、農場生産飼料の適切な利用による飼料供給体制を作ることが大切な研究対象であるが、現状では改良飼料品種の導入、多用途作物などの繊維源の利活用技術は十分でなく、この他にも、家畜飼養技術モデルの開発、飼料作物の栽培管理、ルーメン微生物の人為操作による飼料資源の解毒、繊維質分解性向上などの技術開発が主な課題になっていると報告した。
 参加6カ国からは、各国の畜産の現状、産業としての位置づけ、畜産技術開発の状況や問題点などが報告され、将来有望な飼料の生産や利用技術の共有、技術者交流のネットワーク作りの要望があった。また、地域的には、入手可能な飼料資源の品質改善、在来及び外来牧草の生産と栄養評価、経済性の高い飼料給与法の実践、飼養標準の設定、粗飼料の調整保存に関する技術開発なでの必要性が共通して指摘され、今後、参加各国は相互に技術や実践経験を交換し、東南アジアにおける畜産振興のための飼料の総合的な利用拡大を図る点についての認識を深めた。牛肉・羊肉などの食肉産業は国のGDPの6%以上を占めるが、なかでも羊肉の輸出は盛んで、特に生産ラム肉の90%は世界中に輸出している。このため食肉加工場の衛生管理基準、ラム肉の品質規格基準は厳格で、また、輸出先となる世界各国の食肉基準に合うように配慮している。ほかにNZ羊産業の資料なども添付され、先進国羊産業の概要を知ることができる。
 
構 成
1. 基調講演
  東南アジアにおける小農畜産システム改善のための飼料資源と飼養戦略(ILRI)
2. 国別報告
  1) インドネシア 2)マレーシア 3)ミャンマー 4)フイリピン 5)タイ 6)ベトナム


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