本資料は、2004年7月にタイ国チェンマイ大学で開催された“WTO-SPS(世界貿易機関‐衛生植物検疫措置協定に関する第3回OIE/FAO-APHCA地域ワークショップ)の報告書および講演資料(図表類)のうち、参考になると考えられる部分を抜粋翻訳したものである。その主要部分は、衛生植物検疫措置(SPS)の概要、WTO-SPS協定の合意内容、SPS紛争事例、WTOにおける紛争処理、およびリスク分析概説である。
衛生植物検疫措置(SPS)では、WTO協定の基本構造に関する解説のほか、SPSに関する協定の概要(特徴、衛生保護あるいは保護主義か、措置の正当性、国際規格、条件との適合、代替措置、リスク評価、透明性など)のほか、SPSに関する問い合せの多い質問と回答を具体的に説明している。
WTO-SPS協定の合意内容として、WTOの基本原則(差別のない貿易、市場への予測可能で成長するアクセス、透明性の確保、資源の効率的な配分を通しての開発・発展の促進)、ドーハ開発議題の作業計画の大要、SPS協定の主要規定(基本原則、主たる権利と責務)を図表により示している。
SPS紛争事例では、2004年5月現在、約300件の紛争課題が正式にWTO紛争処理制度のもとに提出されており、そのうち30件がSPS協定に違反していると見られている。ここでは、食肉生産におけるホルモン剤使用の紛争事例を紹介している。
WTOにおける紛争処理では、紛争処理機関(DSB)の概要(パネルの設定、報告書の採択、実施状況の監視、関税譲許停止の認可)の概況のほか、SPS紛争の事例(ホルモン剤、鮭、ヴァラエタル、胴枯病の4事例)について図表により解説している。
リスク分析概説では、リスク分析は特定の危害に対応する態度あるいは行動についての、勧告を導き出すための情報の蒐集、評価、および記録の体系的な方法と定義し、動物と畜産物の国際貿易、食品衛生、獣医用医薬品などに適用できるが、すべての関係者が合意する手法論を用いることが重要としている。
|
I.衛生植物検疫措置
1.WTO協定の基本構造
2.衛生植物検疫措置に関する協定の概要
3.問い合せの多い質問と回答
II.WTO-SPS協定合意(世界貿易機関-衛生植物検疫措置 協定)(パワーポイント)
1.WTO(世界貿易機関)のあらまし
2.ドーハ開発議題の作業計画の大要
3.衛生植物検疫措置(SPS)協定の主要規定
4.関連略語の一覧
III.SPS(衛生植物検疫措置)紛争
−食肉生産におけるホルモン剤使用の事例−
IV.世界貿易機関(WTO)における紛争処理及びSPS紛争(パワーポイント)
V.リスク分析概要(パワーポイント)
|
|