平成17年2月27日より12日間、(社)畜産技術協会緬羊振興部の八木淳公氏が、ニュージーランドのめん羊登録協会(New Zealand Sheep Breeders Association, NZSBA)、めん羊農家、Sheep Improvement Limited(SIL)、Gold Stream Farm (民間の種畜牧場)、Animal Breeding Service Ltd.(ABSNZ)、Farm Tech. New Zealand Ltd.、Pacific Basin Genetics Ltd.(PBG)、 Alliance Group Smithfield Works 等を訪問し広範な調査を行った。
2004年のめん羊登録は31品種、1,016羊群、種雌羊126,177頭であった。NZSBAが血統登録書を作成提供し、SILが羊に関する様々なデータ(産子数、赤身重量、羊毛重量等)や育種価等の情報を提供する。
ニュージーランドにおける人工授精は種畜改良のために一部の種畜牧場で行われると共に、企業等で販売用の受精卵採取のための一手段として利用されることが多い。
ABSNZは1992年から牛、馬、豚、犬、羊、山羊等の人工授精業務に携わり、羊の品種はサフォーク、ボールドセット、テクセルが主体である。Farm Tech.では1995年からニュージーランドとオーストラリアで人工授精業務を行い、種雄を飼養せずに種畜牧場から借りて精液を採取するため、どんな品種にも対応できる。
ニュージーランドは羊種畜の輸出元として大きな役割を担っている。アルゼンチン、ブラジル、ペルー、メキシコ、モンゴル、中国等への輸出は生体から凍結精液や受精卵へと変化している。PBGの販売価格は生体1,000USドル/頭、凍結精液25USドル/ストロー、受精卵200USドル/個である。ニュージーランドの食肉産業は国内総生産の6%以上を占める主要産業であり、ラム肉生産も大きな役割を担っている。ラム肉の約90%が輸出され、相手国のニーズにより、ラム肉グレードやカット方法を変える等の対応を行っている。
本報告書に付属する資料は業務の詳細にわたっており、貴重な情報を提供してくれる。
・ Flock Book 2004-Statistical Information
・ NZ Sheep Breeders’Association 申請用紙
・ Understanding SIL Information
・ 品種紹介パンフレット
・ Sheep AI Program, Daily Collection Form, Production Sheet
・ Current State of Sheep Artificial Insemination in Japan
・ The Timaru Herald 記事(羊の輸出に関する新聞記事)
・ Ram Newsletter (Highlander, Primeraについて )
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T.種畜に関する状況調査報告
U.人工授精技術および凍結精液等に関する調査報告
V.種畜輸出(生体、凍結精液、受精卵)に関する調査報告
W.食肉の加工処理等に関する調査報告
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