公益社団法人
畜産技術協会


平成17年度畜産をめぐる国際問題研究推進事業
米国農業法及びWTO交渉のタイミング −絶好の機会−
平成18年3月(社)畜産技術協会


概 要
 本資料は、オーストラリアの政府経済研究機関である豪州農業経済資源局(ABARE)が2005年11月に公表した「Timing of the US farm bill and WTO negotiations - A UNIQUE OPPORTUNITY」と題する報告書の翻訳である。
 WTOのドーハランド多角的貿易交渉は岐路に立っており、主要国における農業政策の改革について真のコミットメントがなされなければ失敗するであろう。ドーハラウンド交渉と時を同じくして米国の次期農業法に至る議論が並行して行われることによって、米国としては自国の国内農業政策の思い切った改革を、ドーハランドにおける自主的な成果を確保するための梃子として用いる絶好の機会にすることができる。
 米国は2005年10月にドーハランドにおいて、世界の農業改革のための野心的な提案として、先進国が関税を55-90%引き下げと国内支持に対する貿易歪曲的支持の許容総額を31-75%削減するよう求める案を提示した。これは思い切った市場アクセスの改善と貿易歪曲的な国内支持の削減を求めるものである。市場アクセスの改善に伴い、多くの米国農民の受け取る価格は上昇し、米国の農業政策におけるセーフティ・ネットの要素に対する依存が低下することになる。
これに対して、EUも関税については最高60%対案を提示したが、その内容は市場アクセスの面で米国の提案に比べて野心度が遥かに低く、センシティブ品目に関する譲許について過大な裁量の余地を認めるものである。
 この報告書は、これら二つの提案の持つインパクトを評価・数量化することによってドーハランドにおける農業改革によって米国が受ける利益を明らかにしたものである。米国の提案に基づくと、米国の農産物輸出が推計94億ドル拡大するのみならず、世界全体の経済福祉が240億ドル増大することになると推計している。
 米国における農業の拡大は、牛肉および野菜・果実など計画作物以外の部門がEUの市場アクセスの改善と国内支持の削減により利益を受けるのに対して、米国の国内支持の削減による減少はほとんどないことによって生ずる。
 
構 成
要約
1. 機械の確認
2. 米国農業にとってのWTO改革の重要性
3. WTOの国内市場ことで米国の政策
4. WTO交渉における最近の提案の潜在的影響
参考文献
囲み、図、表


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