公益社団法人
畜産技術協会


平成21年度畜産をめぐる国際問題等対応調査支援事業
地理的表示(GI)は有効な所有権か −世界の潮流と課題−
平成22年3月(社)畜産技術協会


概 要

  

 本資料は、英国の独立のシンクタンクであるOverseas Development Instituteがとりまとめた「Are Geographical Indications a Valid Property Right?−Global Trends and Challenges」を翻訳したものである。

 WTO交渉はこのところ膠着状態にあるが、国際貿易交渉の場において、地理的表示の問題が益々重要な課題になってきている。この資料は、地理的表示について、特に開発途上国にとって、国際的に何が問題となっているかを分析している。

 本資料は、最初にWTOパネルによってどのようにしてEUが第3国に登録の道を開くようになったか、また、地理的表示に関する交渉が現状においてどのように膠着しているかを検討している。次に、トルコ、インド、中国、コロンビア及びエチオピアにおいて地理的表示がどのように政治上及び貿易上の重要な課題として認識され、検討されているかを分析し、貿易交渉上の側面において、名声を伴った産品が多くなって行く状況のなかで、地理的表示等の新しい動きを取り扱うことが課題となってきていることを指摘している。

 世界は急速に変化しており、地理的表示がもたらすことの多くは、将来において一層、重要になっていくものと推察され、その意味で、我が国においても地理的表示の問題は今後の国際貿易の場においてのみならず、国内の農産物の表示問題としても一層の検討を迫られている課題と考えられる。このような観点から、本資料は地理的表示問題の正しい理解の促進に資するものでる。

 
構 成

1 はじめに

2 地理的表示の国際的な認知:初期の条約から現在のWTO交渉まで 

  2・1 1891年から1994年までの国際的な法的枠組みの発展

  2.2 TRIPs協定(1994):地理的表示の世界的な認知

3 開発途上国の挑戦

  3・1 開発途上国の指導と法的枠組みの進展

  3・2 国際市場における地理的表示と商標の結合の課題

  3・3 国の戦略の発展と当面するジレンマ

4 結 論

参考文献

附属書1C;知的所有権の貿易関連の側面に関する協定



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