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我が国の畜産業は、牛肉および乳製品の自由化問題、発展途上国との貿易問題など厳しい状況に直面している。このような状況に的確に対応するためには、国内的には足腰の強い畜産業を育成する努力が必要なことは勿論であるが、国際的には先進国は勿論、発展途上国の畜産業の現状、畜産物需要の動向などに関する情報を収集、分析、把握し、あらゆる事態に的確かつ迅速に対処しうる体制を整えておくことが極めて重要である。このような観点から、国際農林業協力協会では、平成元年度から地方競馬全国協会の補助事業として、また平成3年度からは(社)畜産技術協会からの委託事業として、発展途上国など海外の畜産事情の調査研究を実施することとした。平成6年度はエチオピアおよびタイの2ヵ国を対象に調査研究を行った。本報告書はエチオピアの畜産事情調査報告書である。エチオピア国は移行政府の統治、Eritreaをめぐる問題など、国内事情が流動的であり、畜産事情にも流動的な要因が少なくない。このような状況下に置かれているが、従来から紹介された資料もきわめて少ないので、刊行に踏みきった。これらのことを理解して参考に供していただければ幸いである。 |
1.立地と農業
2.農業研究の組織と農業高など教育の現状
3.農業改良普及
4.家畜
5.家畜衛生
6.家畜の飼料構造
7.牛の育種繁殖方針と人工授精
8.農業生態地域別の作物と家畜の生産システム
9.畜産開発計画と国際協力
10.日本のエチオピアに対する協力 |
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