公益社団法人
畜産技術協会


平成13年度総合支援事業報告書
先進国海外技術協力情報収集現地調査報告書:モンゴル
平成14年3月 (社)畜産技術協会 A4判52頁


 
概 要
わが国の技術協力の円滑な推進と効率的な展開をはかるためには、国際機関や他の先進国、NGOなどによる技術協力の内容と成果を調査、研究することが重要である。今回の現地調査は、別途の調査事業である「家畜衛生事業現地調査」と合同して2001年9月に林 茂昭(畜産技術協会)を団長に6名で、うち4名は独立行政法人および県の家畜衛生関係者で実施された。本報告書は、先進国等の技術協力状況を中心としたものである。
 モンゴルは、従来、旧ソ連や東欧の支援のもとに社会建設を進めてきたが、1990年に共和制に移行し、91年以降、市場経済体制への変革に伴い、日本を含めて西欧諸国との関係が拡大している。支援の内容には国際収支の支援、資金援助、技術援助、商品援助などがあるが、二国間では日本は最大の援助国で、国際機関ではアジア開発銀行となっている。データは少し古いが、1998年の畜産分野への外国支援は、カシミア・ウール関係28件、皮革関係22件、食肉・牛乳関係119件の合計169件に達し、日本の無償資金協力によるカシミヤ工場、牛乳処理施設、食肉処理施設、技術協力事業としての家畜感染症診断技術協力のほか、デンマーク、オランダ、ドイツからの協力事業、国際機関からの技術援助などがある。それらのうち、国連開発計画による援助事業の内容、ドイツのアドバイザー支援、旧体制下におけるソ連やハンガリーの援助事業とその後の経過などが調べられている。
 モンゴルは全体的には市場経済体制に移行し、制度と仕組みは整いつつあるが、設備や技術はいずれも旧体制の状態のままにある。すなわち大学、研究機関ともに施設、技術者は旧ソ連ないしは旧共産圏諸国(ハンガリー、東ドイツ)の影響が大きく残存しているが、その後のフォローができなくなっている。西側諸国および国際諸機関による積極的な支援が望まれるところであろう。畜産分野、特に地方の病性鑑定施設の整備と技術の向上にかかる技術協力と牧草生産技術に関して、日本に対する期待が大きい。
 参考資料には国連開発計画による「持続可能な大規模牧畜産業開発モデル」について、実行計画と活動の中間報告が記載されているが、援助計画の策定と実施、その評価に関連して参考となる部分が多いです。
 
構 成
 1.モンゴルの一般概況
 2.農業の概況
 3.畜産の概要
 4.国際協力の受入状況
 5.技術協力の可能性と方向
 参考資料


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