公益社団法人
畜産技術協会


平成16年度畜産技術協力総合支援事業
先進国海外技術協力情報収集現地調査報告書 −ミャンマー国−
平成17年3月(社)畜産技術協会


概 要
 本報告書は日本中央競馬会特別資金による助成事業(先進国海外技術協力情報収集事業)の一環として実施したミャンマー国の現地調査結果の報告書である。
 この調査では、ミャンマー国が軍事政権下にあり、民主化の進展が不十分であり、我が国の援助が未だ本格化していない現状に鑑み、ミャンマー国内のNGOへの直接的支援になる「JICA草の根支援事業」につながる協力案件の形成促進を図るためにミャンマー国政府及びミャンマーNGOと協議をするとともに、我が国の今後の畜産援助を効果的かつ効率的に行うのに資するために他の先進国がミャンマー国に対して行っている援助実施状況を調査したものである。
 本報告書では、ミャンマー国の畜産振興計画と畜産の現状と課題及び「JICA草の根支援事業につながる協力案件の形成」のための援助要請事項を取りまとめるとともに「JICA草の根支援事業につながる協力案件の形成に係る具体的な事業実施計画案の提案がなされている。
 ミャンマーの畜産政策は、第3次国家経済開発5ヵ年計画(2001-2005)を第1期5ヵ年と位置づける30計画(2001-2030)に基づき展開されているが、第2次5カ年計画(2006-2010)
では、(1)畜産物の自給の達成、(2)畜産物・家畜の輸出促進、(3)農村地域における社会経済の発展、(4)家畜衛生と家畜生産の改善、(5)国の内外からの畜産セクターへの投資の促進、(6)技術者の養成、F適正技術の創出等を目標に掲げている。
 この調査において、ミャンマー国政府側から要請があった援助案件は、(1)人工授精用の液体窒素製造装置の更新と液体窒素保存運搬コンテナー、(2)家畜疾病及び繁殖障害対策、(3)国民栄養・農家所得向上と畜産物の輸入削減・自給率向上のための高品質牛乳の処理加工技術の3点であった。また、JICAミャンマー事務所へは、養蜂技術、肉牛改良・飼養技術についての援助要請もある。
 本調査では、ミャンマー国の酪農事業を調査し、「JICA草の根支援に事業を」につながる協力案件形成にかかる具体的作業として、Mandalay地域を対象に事業実施計画案を提示した。このプロジェクトの目標は以下のような内容となっている。
(1) 小規模酪農家が牛乳に付加価値をつけて販売することにより所得を向上するとともに、女性を含めた酪農家の働く場を創出することにより、小規模酪農家の生産・生活の向上を図る。
(2) 小規模農家が生産者グループを形成し、村落レベルでの牛乳のマイクロ企業を創設する。
(3) これにより、貧困を削減する。
(4) 高品質飲用乳の普及により国民栄養の改善を図る。
(5) 牛乳、乳製品の自給率を向上する。
 
構 成
まえがき
写真
I ミャンマー国畜産調査団派遣計画
II ミャンマーでの調査結果
 1 畜産振興計画
 2 畜産の現状と課題
 3 JICA草の根支援事業につながる協力案件の形成
 4 「JICA草の根支援事業」につながる協力案件の形成にかかる具体的作業
III 入手資料と参考文献


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