本資料は、ブータン王国の一般概要、農業、畜産の現状と課題、援助方向等を国の内外の各種情報により取りまとめたものである。
Tの概要においては、最初に自然概況。2の社会概況では、人口、民族、言語、宗教、教育及び保健・医療。3の政治概要では、略史、および政治体制について政体、国会の構成、行政府、地方制度。4の経済概況では、経済構造、経済開発、貿易、外国投資及び経済の現況と主要経済指標等が記述されている。地勢的に隔離され、近代化へのスタートが遅れたブータンの産業は農業が中心で、近年、特定の成長分野、特に水力発電、外国投資等により順調な経済成長を遂げてきた。
Uの農業においては、まず農業概況として、農業就業割合及び農畜産物生産の市場開発の動き、農業部門のGDPへの寄与率(20%強)。2の農業生産構造では、農業生態学的に北のアルプス高山帯から南の多雨亜熱帯までの高低差の大きい6つの気候帯に区分され、農耕地は国土面積の約2.8%で、平坦な可耕地は限られていること等の説明。3の生産動向では、作物別耕作面積・生産量の推移。4の農業振興施策では、社会経済開発計画の第10次5か年計画に基づく農業部門の重点課題と施策。5の試験研究・技術普及では、研究機関及び技術普及組織。6は林業の概況、7は農業林産物貿易、8は農業分野の国際協力及びNGO活動について記述されている。
Vの畜産においては、はじめに概況として、家畜頭数の推移、畜産農家戸数及び飼養規模、畜産の国内総生産に占める比率(7%前後)。2の畜産行政及び施策では、農業行政機関、分野別農林業予算、および畜産振興施策として、社会経済開発計画5か年計画及び畜産開発プログラムに基づく政策目標及び具体的振興施策。3では、各家畜の品種等のタイプ別動向、在来種及び改良種の飼養状況と課題。4の育種改良では、各家畜・家禽の育種改良施策及び育種改良関係機関。5の家畜衛生では、主な家畜疾病の発生状況、家畜衛生に関する行政組織、家畜衛生対策の制約と戦略。6では、牛乳及び乳製品の生産・流通量の推移、各種食肉の生産・販売量の推移、畜産物価格、家畜・畜産物の貿易統計。7では、粗飼料資源としての登録放牧地や林地放牧の生草資源、作物残渣、飼料作物、飼料樹木の重要性、粗飼料資源の改良施策、飼料及び飼料作物に関する研究、また飼料の生産と利用について、国による飼料作物の種子生産と普及、配合飼料の生産状況。8の環境問題では、家畜糞尿は重要な肥料資源として活用され、過放牧や林地放牧による自然環境被害の防止が課題であること。9の畜産分野の国際協力では、インド及び欧州委員会、ヨーロッパ諸国等の援助状況及びFAO、国際農業開発基金、アジア開発銀行等の国際機関による援助状況、海外NGOの援助実施状況がまとめられている。 |