本資料は、バヌアツ共和国の一般概要、農業、畜産の現状と課題、援助方向等を取りまとめたものである。
Tの概要においては、最初にバヌアツの自然状況。2の社会の項では、人口、民族及び言語、宗教、教育制度、保健・医療について。3の政治の項では、政治略史、政治体制、行政機構等、4の経済の項では、経済概要、貿易、外国投資、経済開発計画、諸外国・国際機関の経済協力等が概説されている。バヌアツは1980年の独立以来、旧宗主国からの政治的、経済的分離独立に努め、1992年「第3次国家開発計画」、1997年に「包括的改革計画」等を導入・実施により2000年代前半の低成長を脱し、目覚しい経済成長を遂げている。
Uの農業においては、まず概況として、農業就業割合、農畜産生産物の変遷、そして産業部門別GDP占有比率についての、農業への依存度の高さ、農業生産におけるココヤシ栽培と肉牛飼養の重要性、および近年のGDPにおける農業シェアの14%台への低下と観光業等サービス業の76〜77%台への増加について。2の構造では、農業生産・流通構造、土地の所有構造。3の生産動向では、生産量について、輸出用3品目の減少や生活に密着し商品価値の高い野菜類、果実類などが増加したこと。4の農業振興施策では、第1〜3次の国家開発計画において農業開発計画が農業及び畜産に大きなウエイトが置いてきたこと。5では試験研究・技術普及での施設、研究活動。6では林業・水産業の概要。7の農林水産物の貿易では、品目による輸出の増減傾向、輸入増加による輸入超過の状況が示されており、8の農業分野の国際協力・NGO活動では、援助実施の関係国・国際機関や援助の実績分野及び我が国の無償資金協力等が記述されている。
Vの畜産においては、はじめに概要として、家畜家禽の頭羽数及び畜産製品生産量の推移。2の畜産行政では、行政機構及び担当部局の職務内容。3の飼養状況と課題では、畜産の一般事情及び各家畜の生産システム。4では、各家畜の育種改良の現状及び総括的な見解が記述されている。5の家畜衛生では、家畜の伝染性疾病について、発生は極めて少ない状況にあって、独立後も国家開発計画において家畜衛生環境維持のため家畜防疫体制を整備し、サント島の一部地域に存在するブルセラ病と結核病の防疫対策を強化していることについて。6の畜産物の生産と輸出入の推移では、畜産物は完全な輸入超過の状況にあること。7の飼料資源・飼料生産では、放牧地をベースとした反芻家畜の生産システム、牛とココナツ林の営農システム、在来草地、改良草地、ココナツ林下の草地での牧草種、放牧地の土壌、雑草等の開発課題について。8の畜産分野の国際協力では、旧宗主国関連のオーストラリア、ニュージーランド、フランス各国の実績が高いこと等が記述されている。 |