公益社団法人
畜産技術協会


平成5年度地球温暖化関連家畜飼養技術等検討調査事業報告書
地球温暖化とわが国の畜産第三集・海外調査報告第3報
平成6年3月 (社)畜産技術協会 B5版115頁


 
概 要
地球環境問題に関心が高まる中で、地球温暖化は関心の高い問題の一つである。人間の諸活動によって発生する二酸化炭素、メタンに加え、亜酸化窒素のガス濃度の増加は生態系、人類社会に重大な影響を与える。なかでも農業に対する影響は大きい。畜産分野では家畜の生産性への影響に加えて、飼料作物に対しても降水量の変化、高温障害、病虫害の発生状況の変化、土壌水分の変化による影響が予想される。本書は地球温暖化関連家畜飼養技術等検討委員会による前年に引き続く「地球温暖化とわが国の畜産」についての検討結果を取りまとめたものである。
 平成5年度は、乳牛に対する高温の影響を引き続いて検討し、気温上昇による飼料作物の生産性に対する影響、草地における窒素肥料の施用による亜酸化窒素の発生および家畜排泄物からの亜酸化窒素の発生メカニズムなどについて検討し、現時点における草地に関連する温暖化現象に係る知見を早急に集めることにした。温室効果ガスとしては微量ではあるが寄与率の高い亜酸化窒素の発生について、地球規模における亜酸化窒素の発生量把握する必要もあり、我が国畜産における発生状況などについて総括的な検討結果も取りまとめた。
 海外調査はヨーロッパの温暖化に関連する研究動向を対象に実施したが、今年度から海外調査結果は国内における検討結果と一本化して報告している。
 
 
構 成

T.大気の亜酸化窒素濃度の変動と畜産
 1. はじめに
 2.大気の亜酸化窒素濃度の変動と地球環境
 3.農業生態系から放出される亜酸化窒素
 4.今後の対応
U.草地・家畜排泄物からの亜酸化窒素およびメタンの発生とその制御
 1.草地における亜酸化窒素の発生およびその制御
 2.家畜排泄物および処理施設からの亜酸化窒素の発生
 3.草地におけるメタンの発生・吸収およびその制御
V.地球温暖化が飼料作物および家畜生産に及ぼす影響と対策
 1.温暖化と世界の気候変動
 2.温暖化が世界の飼料作物生産に及ぼす影響の予測と評価
 3.草地・飼料作物に対する二酸化炭素濃度・温度上昇の影響
 4.乳牛に対する高温の影響とその対策

「海外調査報告第3報」:地球温暖化と畜産に関するヨーロッパの研究の動向
 英国:ローエット研究所、ドイツ:ラインーフリートリッヒーウイルヘルムス大学、
 およびベルリンーフンボルト大学、ベルギー:ゲント州立大学、
 フランス:ジュイ・アン・ジョザ農学研究所およびクレルモン・フェラン農学研究所訪問。


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