公益社団法人
畜産技術協会


平成10年度新家畜資源利用開発調査研究事業報告書
鹿資源利用開発調査研究事業報告書
平成11年3月 全日本養鹿協会 A4版110頁


 
概 要
 平成10年度は、産物である鹿肉、鹿油の特性、それらの食品としての利用性、鹿肉の処理・加工技術、海外・国内事例調査を実施した。(1)えぞ鹿肉の特性:一般組成は脂肪が少ない点を除くと牛肉と同様であるが、蓄積脂肪の特性は牛・豚と異なり魚油に近く血清コレステロールや肝コレステロールの低下をもたらす。肉の熟成には牛同様10〜14日を要するがヘム色素総量が多く色調の劣化が早く加工に際して考慮が必要である。脂肪酸ではパルミチン酸組成が高く異性化リノール酸も含まれており、体脂肪の減少、動脈硬化の軽減に有効な食品である。(2)鹿油の特性:各部位より集めた鹿油の物理的特性は牛・豚脂に類似する。二酸化炭素の超臨界液体を使用し、鹿油特性成分の濃縮法を確立した。(3)養鹿事業を推進している北海道鹿追町農業協同組合では肉加工のために屠場、肉加工施設を建設し、屠畜の解体、肉の熟成、部位別カット包装、鹿肉の保存、鹿肉料理マニュアル作成を行っている。(4)海外事例調査(中国):長春、北京の養鹿場、産物販売所を訪れ、養鹿、鹿茸の生産・利用・加工技術ならびに鹿肉利用の実態を調査した。(5)国内事例調査:宮崎県南郷村の養鹿場についてえぞ鹿の繁殖、育成、飼養管理、衛生、畜産物の加工状況を調査した。
 
構 成

1.えぞ鹿の特性調査
2.鹿肉脂肪部位の脂質および脂肪酸調査
3.鹿油の物理的特性、抽出
4.鹿肉処理および肉加工などについての調査
5.海外事例調査(中国)
6.国内事例調査


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