社団法人
畜産技術協会


平成11年度めん羊振興対策事業
中山間地域等におけるめん羊飼養と 利用及び振興等に閑する調査報告書V
平成12年3月 社団法人 日本緬羊協会 会長 豊田 晋


まえがき
 (社)日本緬羊協会では、平成3年度から農林水産省が推進しているめん羊振興対策事業を本年度も実施いたしました。
 この事菓は、国産ラム及び国産羊毛に村する高い評価及び強い需要等に対応して、めん羊振興方策の検討並びにめん羊に村する消費者のニーズの把握、生産物利用技術の高度化、指導力の向上、めん羊産品利用などの啓発普及等を推進し、めん羊を振興しようとするものであります。
 平成11年度においては、前年に引き続き二つのテーマを調査の対象にすることとし、そのうちの一つのテーマとして、「中山間地域等におけるめん羊飼養と利用及び振興等」を取り上げることにいたしました。
 調査対象地域としましては、中山間地城及び平地農業地域でめん羊の飼養、利用、消費等に特色のある所としました。中山間地域は、未利用地、未活用の草資源等が豊富にあるなどの特徴を持っており、めん羊を導入しやすい状況にあります。加えて平地においては新しい特産品の途が求められています。これらの地域にとって、多様な利用性と飼いやすさなどの特徴から、重要な一作目として地域振興のうえからもめん羊の振興が期待されています。このような状況からこの調査を実施して結果を取りまとめるとともに、得られた過去2年間の成果を加えて振興の指標となる実態調査の総括を取りまとめ、これを併せて報告書を作成いたしました。
 この報告書が、中山間地域等におけるめん羊振興のため、全国のめん羊関係者に広く活用されることを期待してやみません。
 事業の実施に当たりまして、ご指導ご協力を賜りました畜産局の関係担当官及び現地調査及び実態調査の総括取りまとめの労を賜りました麻布大学名誉教授の吉本正氏、日本緬羊研究会の近藤知彦氏、農林水産省家畜改良センター岩手牧場の村田亜希子氏、鳥取大学教授の関根純二郎氏、麻布大学教授の田中智夫氏並びに調査地等の関係各位に深く感謝申し上げます。
 
 
めん羊飼養実態調査の結果 目次

T.調査の目的
U.調査の方法
V.調査の結果
1.岩手県和賀郡東和町におけるめん羊飼養
 1)調査地の概要
 2)めん羊の飼養実態
  (1)小菅良悦氏(めん羊部会長)のめん羊飼養
  (2)伊藤博氏(めん羊部会副会長)のめん羊飼養
 3)ラム肉の消費流通
  (1)小菅良悦氏の消費流通
  (2)伊藤博氏の消費流通
 4)今後の課題等について
  (1)小菅良悦氏の課題
  (2)伊藤博氏の課題
2.愛知県北設楽郡東栄町におけるめん羊飼養
 1)調査地の概要
 2)めん羊導入の経緯と概要
 3)めん羊飼養の現状
  (1)伊藤勝重氏(三輪地区)のめん羊飼養
  (2)平松幹吉氏(振草地区)のめん羊飼養
  (3)夏目平吉氏(御園地区)のめん羊飼養
 4)肉、毛及び堆肥の利用
  (1)羊肉
  (2)羊毛
  (3)堆肥
 5)今後の課題等について
3.島根県邑智郡川本町におけるめん羊飼養
 1)調査地の概要
 2)川本町のめん羊飼養及びその実態
  (1)上鉄穴芳雄氏のめん羊飼養
  (2)東忠明氏のめん羊飼養
  (3)三宅康男氏のめん羊飼養
 3)手紡ぎの会の羊毛利用
 4)今後の課題等について
4.佐賀県杵島郡北方町におけるめん羊飼養
 1)調査地の概要
 2)野上めん羊牧場のめん羊飼養の経緯
 3)野上めん羊牧場の飼養状況及び生産物の利用状況
  (1)めん羊の飼養状況
  (2)生産物の利用状況
  (3)羊肉専門焼肉店の経営
  (4)羊毛・毛皮の加工販売
 4)今後の課題等について
5.藤田義則氏及び大又農園のめん羊飼養と利用
 1)藤田義則氏のめん羊飼養
 2)大又農園のめん羊飼養と利用
 
実態調査の総括 目次

T.平成9〜11年度実態調査の総括
1.平成9・10年度調査の概要
 1)山間農業地域
  (1)岩手県山形村
  (2)岩手県住田町
  (3)東京都奥多摩町
 2)中間農業地域
  (1)長野県信州新町
  (2)岩手県遠野市
  (3)宮城県松島町
  (4)山形県村山市
  (5)福島県東和町
 3)平地農業地域
  (1)宮城県田尻町
  (2)宮城県河南町
  (3)秋田県大潟村
2.総括
 1)山間農業地域
  (1)環境条件
  (2)問題点と対策
 2)中間農業地域
  (1)環境条件
  (2)問題点と対策
 3)平地農業地城
  (1)環境条件
  (2)問題点と対策
3.結論
U.めん羊の特性を活用した中山間地域の振興計画
1.まえがき
2.活動のための組織作り
 1)生産者による組織作り
 2)めん羊生産組合の組織と活動
 3)めん羊生産集団(協議会管内)の規模
3.地域振興協議会の組織と活動
 1)めん羊の生産活動
 2)生産物の付加価値向上のための事業
  (1)ラムの有利な販売
  (2)羊毛の利用
  (3)その他の生産物
 3)めん羊の採食特性を活用する事業
  (1)蹄耕法による草地造成
  (2)果樹園の下草利用
  (3)その他の利用
 4)林業との複合
 5)公共草地の運営に参加
 6)ふれあい牧場の経営


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