(社)日本緬羊協会では、平成3年度から農林水産省が推進しているめん羊振興対策事業を本年度も実施いたしました。
この事菓は、国産ラム及び国産羊毛に村する高い評価及び強い需要等に対応して、めん羊振興方策の検討並びにめん羊に村する消費者のニーズの把握、生産物利用技術の高度化、指導力の向上、めん羊産品利用などの啓発普及等を推進し、めん羊を振興しようとするものであります。
平成11年度においては、前年に引き続き二つのテーマを調査の対象にすることとし、そのうちの一つのテーマとして、「中山間地域等におけるめん羊飼養と利用及び振興等」を取り上げることにいたしました。
調査対象地域としましては、中山間地城及び平地農業地域でめん羊の飼養、利用、消費等に特色のある所としました。中山間地域は、未利用地、未活用の草資源等が豊富にあるなどの特徴を持っており、めん羊を導入しやすい状況にあります。加えて平地においては新しい特産品の途が求められています。これらの地域にとって、多様な利用性と飼いやすさなどの特徴から、重要な一作目として地域振興のうえからもめん羊の振興が期待されています。このような状況からこの調査を実施して結果を取りまとめるとともに、得られた過去2年間の成果を加えて振興の指標となる実態調査の総括を取りまとめ、これを併せて報告書を作成いたしました。
この報告書が、中山間地域等におけるめん羊振興のため、全国のめん羊関係者に広く活用されることを期待してやみません。
事業の実施に当たりまして、ご指導ご協力を賜りました畜産局の関係担当官及び現地調査及び実態調査の総括取りまとめの労を賜りました麻布大学名誉教授の吉本正氏、日本緬羊研究会の近藤知彦氏、農林水産省家畜改良センター岩手牧場の村田亜希子氏、鳥取大学教授の関根純二郎氏、麻布大学教授の田中智夫氏並びに調査地等の関係各位に深く感謝申し上げます。 |