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(社)日本緬羊協会は、平成10年度も地方競馬全国協会が推進している畜産振興補助事業の補助を受けて「めん羊・山羊の特定疾病対策事業」を実施しいたしました。
この事業は、めん羊・山羊の疾病に関する解説書の作成配布、生産振興のための疾病を含む情報提供等を行う交流会の開催、実態調査報告書の作成配布を実施して、めん羊・山羊を振興しようとするものであります。
この事業の中でめん羊・山羊の重要疾病に関する解説書及び山羊市場の実態に関する調査の報告書を作成して関係者に配布することとなり、ここに解説書を作成して関係者に配布することとなりました。
めん羊は、需要の強いラム肉生産や羊毛加工への関心の高まりにより、また、山羊は、山羊乳利用や肉消費の拡大等により、中山間地等における地域振興の一作目として期待が寄せられています。
しかし、寄生虫症、腰麻痺などは旧くから知られていながら依然として被害を受け続けている疾病が存在し、飼育者はその防除のために多くの経済的・労力的負担を強いられています。これらの疾病は根絶が大変困難であることから、むしろ如何に制御抑制して被害を少なくするかが管理上の技術として大切であります。このような状況の中でめん羊・山羊の振興を図るためには、飼養者に村してこれら疾病の症状と対処方法等を解説して啓発普及することが課題であることから、平易な解説書として「めん羊・山羊の重要疾病解説書」を作成することといたしました。この解説書がめん羊・山羊飼養の関係者や関係機関に広く活用されることを期待してやみません。
解説書作成に当りましては、ご指導ご協力を賜りました畜産局関係担当官、企画検討を煩わせました委員各位を初め執筆を賜った先生方、さらに取りまとめの労を賜わりました自戸綾子氏など関係者のご努力に対し、衷心より厚くお礼を申し上げます。
また、今回も絶大なご援助を賜りました地方競馬全国協会に対しましても深く感謝の意を表します。 |
平成10年度 めん羊・山羊に特定疾病対策事業 企画検討委員・執筆者 |
(敬省略・順不同)
企画検討委員
星 井 静 一(委員長) (社)酪農ヘルパー全国協会
俵横田 守 農林水産省 畜産局 家畜生産課
坂 田 光 弘 農林水産省 畜産局 家畜生産課
白 戸 綾 子 農林水産省 家畜改良センター 岩手牧場
河 野 博 英 農林水産省 家畜改良センター 十勝牧場
名 倉 義 夫 農林水産省 家畜改良センター 長野牧場
村 田 亜希子 農林水産省 家畜改良センター 岩手牧場
高 木 優 二 信州大学 農学部 応用生命科学科
斉 藤 利 朗 北海道立滝川畜産試験場
佐 野 鶴 二 (社)北海道酪農畜産協会
吉 本 正 日本緬羊研究会
近 藤 知 彦 日本緬羊研究会
鈴 木 香代子 愛知県緬山羊協会
執 筆 者
更 科 孝 夫 帯広畜産大学 獣医学科
白 戸 綾 子 農林水産省 家畜改良センター 岩手牧場
河 野 博 英 農林水産省 家畜改良センター 十勝牧場
名 倉 義 夫 農林水産省 家畜改良センター 長野牧場
村 田 亜希子 農林水産省 家畜改良センター 岩手牧場 |
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目 次 |
グラビア
第1章 内・外寄生虫症 ・ 更科 孝夫
1.概 要
2.内部寄生虫症 1
1)内部寄生虫の種類と発育環・症状
(1)線虫類 1
(2)肺虫(線虫類)
(3)条虫類
(4)吸虫類
(5)コクシジウム(原虫類)
2)検査及び診断
(1)採材・保管方法
(2)各内部寄生虫の検査・同定
3)駆虫プログラム
4)各寄生虫症の治療と予防対策
(1)線虫類
(2)条虫類
(3)吸虫類
(4)原虫類(コクシジウム)
3.外部寄生虫症
1)外部寄生虫の種類と症状
(1)シラミ類(昆虫類)
(2)ハエ類(昆虫類)
2)防除プログラム
3)治療と予防対策
(1)シラミ類(昆虫類)
(2)ハエ類(昆虫類)
第2章 腰麻痺(脳脊髄糸状虫症)・ 白戸 綾子
1.はじめに
2.原 因
1)病原体
2)指状糸状虫の生活環
3.症 状
1)発病時期
2)症 状
3)類症鑑別
4.予防対策と治療
1)予防対策
(1)予防薬の投与
(2)飼養管理上の対策
2)治 療
(1)駆虫薬投与
(2)看護と補助療法
第3章 腐蹄症 河野 博英
1.はじめに
2.原 因
1)原 因 菌
2)発症の要因
3.症状と治療
1)症 状
2)治 療
4.予防対策
1)剪 蹄
2)脚 浴
(1)薬 剤
(2)脚浴施設
3)環境整備と蔓延防止策
第4章 Q&A ・ 白戸 綾子・名倉 義夫・村田亜希子
1.日常の衛生管理
2.子畜の疾病
3.妊娠・分娩期の疾病
4.山羊の乳房炎
5.海外の疾病
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