公益社団法人
畜産技術協会


平成11年度新家畜資源利用開発調査研究事業報告書
鹿資源利用開発調査研究事業報告書
平成12年3月 全日本養鹿協会 A4版100項


 
概 要
 平成11年度は、除角時の麻酔薬利用効果、えぞ鹿幼角の脂肪酸特性、幼角の特性、幼角の生活習慣病への効果、国内事例調査を実施した。(1)除角時の麻酔薬利用効果:除角に際し鹿は捕獲後のショック死(捕獲後筋変性症)を多発するが、症例では血清クレアチンフォスフォキナーゼの顕著な上昇が観察される。鹿専用麻酔剤(中国製)の使用により保定時の興奮が抑制され血清成分の変化もなく除角が可能となった。(2)幼角の脂肪酸特性:角の脂肪は少ないが、脂肪組織には高級不飽和脂肪酸の存在がみられた。(3)幼角の特性:幼角の乾燥には真空凍結乾燥が最適であった。乾燥幼角粉について、一般組織、無機質、遊離アミノ酸、脂質、脂肪酸の組織分析法を確立し、測定した。幼角粉末から1g当り6.2〜204万個の大腸菌が検出されたが、乾燥後は陰性であった。(4)幼角エキスの生活習慣病への効果:マウスの腫瘍に対して幼角エキスのみでは効果が低いがマタタビエキスを併用した場合に顕著な発生遅延効果がえられた。(5)国内事例調査:栃木県黒磯市鹿遊の里における養鹿の実態、産物の販売状況を調査した。現在100頭(雌48、雄41、幼獣11、日本鹿56、赤鹿30、ワピチ14)を十分な個体管理と衛生対策の下で育成し、鹿とのふれあいを進めている。
 
構 成

1.鹿幼角の利用開発の調査研究:麻酔薬利用による不動化調査
2.えぞ鹿幼角の脂肪酸特性調査
3.幼角の特性調査
4.鹿幼角などの生活習慣病に対する効果調査
5.国内事例調査


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