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畜産新技術実用化対策事業では、リキッドフィーディング(液状飼料調製・給与技術)の利用により、養豚経営における生産性向上と食品残渣などに起因する環境負荷の軽減および飼料自給率の向上を図り、さらにこのための関連技術の普及、新技術の開発などの検討を進めている。(社)畜産技術協会は、平成12年度からこの事業を開始し、中央推進委員会の開催を除く事業の実施を(社)全国養豚協会に委託しているが、平成13年度には、リキッドフィーディングの普及を図る上での検討すべき課題、関連新技術の開発などについての中央推進委員会議事録、さらに実用化、普及定着化を図る上で必要な施設および飼料の専門部会議事録および国内外の技術調査の結果を取りまとめた報告書を作成した。 |
本報告書は平成13年度中央推進委員会議事録、飼料・施設部会議事録、国内現地調査成績、海外文献調査について取りまとめている。農場現地調査は、有限会社ブライトピック千葉第1農場、農業生産法人大町農産、農業生産法人福永ファームを対象に実施し、それぞれの農場の経営の概要、リキッドフィーディング導入の理念、フィーディング・システムの概要、給与飼料の概要、養豚技術成績、リキッドフィーディングの経済成績(概算)、ふん尿処理施設についての調査、および現地調査に参加した各委員の論評をとりまとめた。文献調査は、鹿児島県畜産試験場研究報告第24号〜第27号の「液状飼料の合理的な給与システムの確立」、同じく鹿児島県畜産試験場の「本格焼酎技術開発事業研究成果報告書」について分析検討した。また、施設の製造・販売会社として(株)セキネ、ヨシモトポール(株)、(株)中嶋製作所を選んでアンケート調査を行ない、施設などの販売の視点からリキッドフィーディングシステムの普及についての意見を調査した。また、全大阪養豚農業共同組合第12回組合員生産豚肉質向上技術・消費拡大研究大会において発表された乾燥・発酵処理による食品副産物を活用している事例、給食センターなどからの残渣利用による高品質豚の生産事例、食品残渣飼料を上手に使った都市型養豚の事例について紹介した。また、海外文献等調査としては、リキッドフィーディング関連文献の抄録、水に配慮する必要性、豚のリキッドフィーディング(総説)、発酵リキッド飼料給与による抗生物質などの成長因子給与の置き換えの可否、英国、EUにおける食品残渣の飼料利用に関する規制に関する情報を紹介した。 |
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