公益社団法人
畜産技術協会



地鶏肉生産用母系統「九州ロード」の造成と利用
熊本県農業研究センター 畜産研究所  松崎 正治[H15/養鶏/育種・遺伝]


はじめに
 各地で地鶏肉生産用母鶏として、白色プリマスロック種とロードアイランドレッド種が多く使われている。産肉性に優れる白色プリマスロック種は地鶏の特定JAS規格における在来種由来百分率(以下:地鶏係数)が0%で、白色羽装である。一方、産卵性に優れるロードアイランドレッド種は地鶏係数が100%で、褐色羽装である。両品種の利点である優れた産肉性と産卵性をあわせ持ち、褐色羽装で、地鶏係数50%の地鶏肉生産用母系統を、熊本、大分、宮崎の3県が共同で造成した。

内 容
1.系統造成の方法
 熊本県保有のロードアイランドレッド種と家畜改良センター兵庫牧場の白色プリマスロック種13系統を交配した地鶏係数50%の鶏を基礎として、3県共同で7年間7世代の閉鎖群育種を実施した。そして、産肉性と産卵性の優れた褐色羽装の地鶏肉生産用母系統「九州ロード」を造成した(図1)。
2.九州ロードの特性
 「九州ロード」の羽色は濃褐色に固定され、成鶏の体重が雄4,969g、雌3,655gと大きいにもかかわらず、定量給餌による制限給餌を行なうと、産卵率が77.0%と優れ、卵重も大きいので、53g以上の正常卵が生産される種卵率が高い(表1)。
3.九州ロードを使った高品質肉用鶏の成
 九州ロードを母鶏とした肉用鶏は、熊本県が「熊本コーチン」と「天草大王」、大分県が「豊のしゃも」、宮崎県が「みやざき地鶏」を生産している。熊本コーチン雄と九州ロード雌を交配した「熊本コーチン」、および天草大王雄と九州ロード雌を交配した「天草大王」はともに美しい褐色羽装に揃い、その成績は表2のとおりである。14週齢で雄雌の平均が約3kgに達し、飼料要求率も3程度と、地鶏としては優れた成績を示す。
4.九州ロード雌の地産地消としての利用
 九州ロードは産肉性に優れ、褐色大卵を多産するので、農家や民宿などで採卵をしながら、肉も利用するという地産地消としての利用が期待される。

留意点
1.種鶏場および農家へは雌雛だけを販売する。
2.地産地消の卵肉兼用として飼養する場合はレイヤー用飼料を給与する。


[問合先]

熊本県農業研究センター 畜産研究所
松崎 正治
電話:096-248-6433



図1  九州ロードの造成



表1 九州ロードの成績(定量給餌:25〜64週齢)



表2 九州ロードを交配した肉用鶏の成績




図2 九州ロードの雄雌



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