公益社団法人
畜産技術協会



畜産技術の紹介:羊
疾病の予防と手当(内部寄生虫症)
生産技術関係


■胃虫症
◎原因と症状
●原因は胃虫の寄生
・線虫の一種である胃虫が第四胃や小腸に寄生し、粘膜に付着して吸血するために発病する。
・めん羊にとって最も危険な寄生虫であり、当歳から2歳のめん羊のほとんどが感染する。
●主な症状として食欲不振・貧血・栄養障害が見られ、衰弱死することもある。
・栄養状態の悪いものや発育不良の子羊は要注意!!
 
■条虫症
◎原因と症状
●原因はサナダ虫の寄生
・拡張条虫などのいわゆるサナダ虫が小腸に寄生し、栄養の吸収や腸管の運動を妨げるために発病する。
●症状は食欲不振・下痢・貧血などで、時には条虫毒素による神経症状がみられることもある。
・成羊では無症状のことが多いが、子羊や育成羊には大きなダメージを与える。
・糞に白い条虫のかけらが付着していたり、肛門からヒモ条の虫体が垂れ下がることがある。
 
■内部寄生虫の感染経路

 
■予防と対策
◎予防対策
●定期的な駆虫
・胃虫:放牧期間中1〜3ヵ月ごと(濃厚汚染地では2週間〜1ヵ月ごと)。
・条虫:離乳時期と交配の前、状況に応じて舎飼直前にもう1回(但し妊娠羊を除く)。
《駆虫時の注意点》
@放牧地の汚染防止のため、駆虫後2〜3日は舎飼とする。
A駆虫後の敷きワラは堆肥にして、発酵熱で寄生虫の卵を殺す。
B条虫の駆虫薬(ビチン)は胎児に悪影響があるため、繁殖雌羊の駆虫は交配前に行う。
●めん羊は清潔で乾燥した場所で飼う
・寄生虫の卵もササラダニも湿気を好む。→湿地での放牧を避け、羊舎は風通しをよくする。
●寄生虫に負けない健康な体作り
・健康なめん羊は多少の寄生虫にはビクともしない。→日頃から健康管理には充分な注意を!
◎治療
●治療には駆虫薬の投与
・寄生虫によって駆虫薬が違う。→最寄りの家畜保健衛生所等に糞便検査を依頼し、寄生虫の種類を調べたうえで駆虫を行う。
●症状の程度によっては、補液や健胃剤、整腸剤等の併用も必要
 
■駆虫プログラム
●▲は駆虫を実施すべき時期
** ○△は状況に応じて追加が望まれる時期(放牧管理の場合は行った方がよい) 
 
■寄生虫と駆虫薬
寄生虫 寄生部位 駆虫薬と用量 用法 出荷制限




捻転胃虫 第四胃 アイボメックR
0.02ml/kg
リペルコールLR
50〜75mg/kg
フルモキサールR散50%
20〜40mg/kg (5日連続)
注射 40日
オステルターグ胃虫 第四胃・小腸
毛様線虫 第四胃・小腸 内服 7日
乳頭糞線虫 小腸
腸結節虫 結腸 内服 10日
鞭虫 盲腸
条 虫 小腸 ビチンR※100mg/kg内服 内服 10日
注1: 用量は体重1kg当たりの投与量
2: ※は要指示医薬品
3: 出荷制限についてはめん羊についての規定がないため、牛の制限期間を記載した。
 
*駆虫薬には副作用や肉への残留の問題があるため、獣医師に相談し、正しく使いましょう。


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